せっかくピアノコンクールに出場するからには、ぜひとも入賞したいところですよね。何度もコンクールに出ているのに、入賞できなくて悩んでいる人もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、コンクールに入賞するためにするべきことについて解説していきたいと思います。
自分に合った選曲をする
まずは、コンクールに出るために、自分に合った選曲をすることが大切です。以下のことに気をつけて、ぴったりの曲を選んでみてください。
- 自由曲のレベル
- 曲の長さ
- 自分の特性
1.自由曲のレベル
コンクールでは、予選では元から指定されている課題曲と、自分で選べる自由曲があるかと思います。自由曲には、課題曲と同じくらいの難易度か、もしくは課題曲よりも少し難しいくらいの曲を選びましょう。自由曲よりもレベルが低いと、審査員の人からそのことを指摘されることもあります。
2.曲の長さ
自由曲を選ぶにあたって、曲の長さは要綱で「3分以内」や「5分以内」と指定されていることが多いです。この制限時間を過ぎると、ベルを鳴らされて止められます。曲というのは、序盤、中盤、終盤でどのように変化するかで成り立っています。終盤を審査員の先生方に聴いてもらえずに終わるというのは、もったいないことこの上ありません。弾きたい曲を決めたら、YouTubeやCDなどでその曲を聞いてみて、制限時間内に収まっているかどうかをチェックしてから練習を始めましょう。
3.自分の特性
曲を選ぶにあたり、自分の特性に合った曲を選ぶということも大事です。もしあなたが正確なリズムに自信があり、音の粒をそろえることが得意なら、バッハやハイドンのような作曲家の曲がマッチするでしょう。派手な音色で、ロマンチックに弾きたいならショパン、繊細な描写が得意ならドビュッシーというように、それぞれの得意に合わせましょう。自分の特性については、習っている先生に聞いてみるのもよいかもしれません。10歳から10年以上コンクールに出続けている私の体感としては、力強い音を持つ男の人は、スクリャービンなどの激しい曲、女の人はショパンが多いような感じがあります。
技術を磨く
コンクールに入賞するためには、その場限りだけでない練習が必要になってきます。技術の上に個人の音楽センスを出すことができます。なので、技術の習得は欠かせません。以下のことに気をつけて、練習してみてください。
- 手の脱力
- 音の粒が揃っているか
- 魅せる練習
1.コンクールに落ちる要因として、フォルテを力任せに叩いて演奏していたり、ピアニッシモを鍵盤の底まで指をつけずに弱弱しく演奏していたりする、というものがあります。どんな強さの個所を弾くときでも、力任せに弾くことはタブーです。肩から腕、指先までを脱力できるよう練習しましょう。おすすめの練習方法としては、ハノンやチェルニーを何度もゆっくりと、1音1音、脱力できているか確認しながら練習することが挙げられます。脱力できていなければ、長くて速い曲を弾いた際に、腕が痛くなったりしてしまいます。脱力して弾いた場合は、滑らかな音となり、フォルテであろうがピアニッシモであろうが、審査員の席まで心地よい音が届くでしょう。
2.音の粒が揃っているか
音の粒が揃っているということも、ピアノコンクールの入賞には欠かせません。全ての同じ長さの音符を、正確に同じ長さで弾けるよう練習しましょう。どこかだけ欠けてしまっていたり、強さが違っていたりすると滑らかに聴こえません。最終的にはメトロノーム通りに弾くのはつまらない演奏になりますが、メトロノームに合わせても弾ける感覚を養っておくことは大切です。メトロノームに合わせて、音の粒を揃える練習をしましょう。
3.魅せる練習
ピアノコンクールは、音が1番の勝負どころですが、それだけではありません。態度で自らを魅せることも大切になってきます。ピアニストになったつもりで挑みましょう。例えば、最初にお辞儀をするときに、自信ありげな堂々とした態度を心掛けることで、演奏に期待を持ってもらうことができます。弾き始めてからも、楽しいところは楽しそうに身体全体をつかって弾き、哀しいところは哀しい表情で弾きましょう。小さなことですが、全身で魅せることを意識することは大切です。
自信がなくて、魅せる余裕がない、と思われる方もいるかもしれませんが、大丈夫です。自分はしっかり練習をしたんだ、という思いと実際の練習量が自信につながるからです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、ピアノコンクールで入賞するための方法について書いてきました。ピアノコンクールで入賞するためには、選曲から始まり、膨大な練習量が必要となってきます。ですが、音楽をすることのできる環境というのは、それだけで素晴らしいものです。ピアノを弾ける環境にいることに感謝しながら、楽しんでコンクールに向かいましょう。応援しています。
コメント