ピアノコンクールに出るとなると、気になるのが「どのくらい練習すればいいの?」ということですよね。今回は、5歳からピアノのコンクールに50回以上出場し、最高記録は全国大会入賞の筆者が、ピアノコンクールで入賞するための理想的な練習量についてお伝えしていきたいと思います!
1日2時間以上練習!
ピアノコンクールは、本格的になるほど他の出場者の方々もかなり練習してきます。1日10時間練習している強者もいます。となると、最低でも練習時間は2時間必要になるでしょう。
2時間練習の内訳
最初の30分は基礎練習
コンクール前だからといって、コンクールで弾く曲ばかり練習していては、基礎を忘れかねません。最初の30分は、基礎的な曲を練習して、指や身体の動きを確認しましょう。
一度通して弾いてみる(10分)
30分の基礎練習が終わったら、1度コンクールの曲を通して弾いてみましょう。後で聞きなおして、直したいところを発見するために録音しておくのもおすすめです。本番のつもりで、緊張感を意識しましょう。
録音を聴きながら部分練習(50分)
通して弾いた演奏の録音を聴きつつ、直したい部分を集中して練習しましょう。通して弾くばかりでは上達しないので、何度も部分を練習することが大切です!
通して弾く練習(30分)
最後は、その日の練習で気をつけた部分を意識しながら、一局通して練習してみましょう。最初に弾いたときのように緊張する必要はありません。何も考えずに弾くのではなく、細部にまでこだわって弾くことが大切です。
できれば1年前から練習!
コンクールの曲は、完全に仕上げようと思えば、かなり長い時間がかかります。なので、できればコンクールの予選の1年前には曲を決めて、練習にかかるのが望ましいです。
1年間の練習内訳
譜読みに2カ月
コンクールの曲は、最初から最後まで完璧に譜読みをしている必要があります。当たり前だと思われるかもしれませんが、音符の長さや、休符の長さを間違えて覚えてしまうのは絶対にNGです。完璧に譜読みをしようと思えば、丁寧に少しずつやっていくのが最善です。なので、ここは長めに時間をとって、2カ月ほど必要でしょう。
解釈に5カ月
譜読みが完了し、ある程度すらすらと弾けるようになってきたら、次は曲についてさらに深く考える必要があります。アナリーゼとも呼ばれる楽曲分析をして、曲を深く知るのです。曲の構造の要素としては、テンポや、旋律、音色などがあり、作品の魅力や盛り上がる個所を理解する必要があります。また、曲ができた背景や、作曲家についても勉強することで、曲をどう弾こうか考えていく期間となります。
もちろん、ピアニストなどの演奏を聴いて勉強することも大切ですが、この時期に他の人が弾いている同じ曲を聴くことはあまりおすすめしません。自分の解釈を信じて、弾き方を決めていく時期だからです。このときに、少しだけ他人の弾き方を取り入れようとしても、その人にはその人なりの解釈があってそのように弾いていることになるので、部分的に取り入れると曲全体がおかしなことになってしまいます。
弾き方が決まってからさらに3カ月練習
弾き方が大体決まってきたら、コンクールまでに自分で解釈した弾き方を自分のものにするために、3カ月練習しましょう。この時期には暗譜していることが必須です。暗譜しても、細かいところまで気をつけながら弾けるようにひたすら練習しましょう。
本番のつもりで2カ月練習
全開の3カ月は、頭で意識しながら細かい部分まで気を配ってきたはずです。しかし、本番が近づいた今、本番では意識せずとも勝手に指が動くように練習しておく必要があります。いったんすべての練習を忘れ去り、頭を空っぽにしても理想の弾き方が身体に染みついているかどうかを確認しましょう。もちろん自分の練習を聴きながら練習することは大事ですが、本番でそのような余裕があるとは限りません。録音して、何も考えていない自分がどこまで弾けるのか、自分の演奏をチェックしましょう。
いざ本番
今までの練習量が、ピアノコンクール本番でも自信をもたせてくれます。自分の知らない曲を弾いている他の演奏者が上手に見えてしまうかもしれませんが、それは錯覚です。練習を信じて、自分の力を精一杯出し切って下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、ピアノコンクールに出場するにあたりどれだけ練習すればいいのか、ということについてお伝えしました。やはり、本番で自信をもって演奏するためには、更にはコンクール入賞を狙うとするなら、それ相応の練習量が必要となってきます。ですが、それだけの練習をしていれば、きっと自信にもつながり、よい演奏ができるでしょう。素晴らしいピアノコンクールライフを応援しております。
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