こんにちは。5歳から50回以上コンクールに出場し、最高記録は全国大会入賞の筆者です。コンクールや発表会が間近に迫っていて、ピアノのラストスパートをかけたいあなた。もしくは、友達や恋人の前で演奏する機会があり、少しでも上手に見せたいあなた。もう時間がないのなら、見せ方に頼るのも手です。実際のところ、上手に弾いているように魅せていたら、本当に上手になることもできます。私がコンクール直前に伝授され、コンクールで銀賞を獲得した「ピアノを上手に見せるコツ」についてお伝えしますので、参考にしていただければ幸いです。
舞台に出た瞬間から勝負は始まっている!
歩き方
コンクールや発表会で、猫背のまま急いでお辞儀をして、慌てて椅子に座る出場者を見かけます。演奏が上手ければ特に気にならないかもしれませんが、この流れだけを見ていて「お、この人上手そうだな」とは思いませんよね。実際に、審査員の方で、舞台に出てきた瞬間から態度をチェックしている方はいます。なので、舞台に出た瞬間から、ゆったりと、堂々と歩くようにしましょう。背筋を伸ばして、目線も少し上げることを意識しましょう。
お辞儀の仕方
お辞儀の仕方は、とても重要です。大きなホールでの演奏なら、目線は真ん中よりも少し上の方を見るようにしましょう。その方が、お客さん全体にお辞儀をしているように見えるからです。小さなホールでは、なるべく審査員の方を直視しましょう。その方が、より自信があるように見えます。実際にお辞儀をするときは、足先を45度に開きましょう。そうすると、お辞儀をしたときにでも身体全体を安定させることができます。お辞儀の瞬間に髪の毛が落ちてこないように、髪の長い女の子は、あらかじめ髪をアップヘアにしておくとよいと思います。お辞儀の角度は、45度です。手をおへそのあたりで組み、下を向きながら「1、2、3」と数えましょう。顔を上げたら、一拍置いてピアノの方に向きます。丁寧なお辞儀は、丁寧な演奏にも繋がるでしょう。
ピアノを弾く前に肘を浮かそう
ピアノを弾くとき、いきなり鍵盤を押さえつけにかかってはいけません。最初の一音を出す前に、肘を上に上げましょう。そうすることで、腕の脱力ができ、柔らかい音が出るからです。やわらかい音を演奏しようという心遣いは、上手な演奏に見せることにも繋がります。
指に耳を近づけよう
コンクールや発表会であなたが弾く曲の中で、一番の聴かせどころはどこでしょうか。もしくは、一番高い音を弾く場面はどこでしょうか。そういった音を弾く際には、耳を、その音を弾く指の方に近づけましょう。すると、しっかりと音を聴いてドラマチックに演奏しているように見えます。余裕があれば、実際にその音に耳を澄ませると、本当に上手に弾くこともできます。上手な演奏は、音をしっかり聴くことから始まるからです。
鍵盤を見ずに弾く箇所をつくろう
ピアニストの演奏を見ていると、必ずといっていいほど、鍵盤を見ずに遠くを見ながら弾く場面がある。この弾き方をすると実際、弾いている自分ではなく自分が曲からイメージしているものに集中しながら弾けます。また、鍵盤を見ないことで客観的に自分の演奏を聴くことができます。つまり、形からこの演奏を真似すれば、自分の演奏をしっかり聴きつつ、想像力を働かせているように見せることができる。あなたが弾く予定の曲の中に、ガラッと曲調が変わり、切なげな雰囲気になるところはないでしょうか。そういったところを、自分の手を見ずに弾けるように練習してみましょう。感覚を掴んでしまえば、簡単にできるようになることと思います。
ブレスを少し長めに
ブレス(息継ぎ)は、こころもち長めにとるように意識しましょう。本番が近づいてくると、焦ってテンポがはやくなって、息継ぎの間も短くなりがちです。しかし、腕を上げてブレスをゆったりと取ることで、余裕をもって演奏しているように見せることができます。テンポが緊張で早くなりすぎないように意識するためにも、ブレスを長くとることは効果的ですので、意識して本番に挑みましょう。
お辞儀をした後に微笑む余裕を
本番でやっと弾き終わったとき、あなたはどんな気持ちでしょうか。上手く弾けた誇らしさでいっぱいかもしれませんし、もしかしたら、「あの部分はもう少しこう弾きたかった」と悔しがっているかもしれません。しかし、どちらにせよ、するべき表情は決まっています。満足げにほほ笑んで、心のうちを悟られないようにするのです。例えば、ピアニストが演奏した後を想像していただければなんとなくイメージが着くと思います。ピアニストは、本当は自分の演奏についてどう思っているか分かりませんが、それを表情に出すことはありません。自分がプロのピアニストになったつもりで、最後まで優雅に振る舞いましょう。
まとめ
ピアノを上手に見せるためのコツは「形から入り、技術につなげる」ということと、聴いてくれる人のことを意識したものとなっています。自分のことではなく、聴いてくれる人のことを考えれば、自然と上手に見せられるようになるものかもしれません。これを読んでくれたあなたが、本番で最大限自分の力を発揮できることをお祈りしています。
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